号外 2007.4.17発行 | |
◆◆休息時間制廃止問題で緊急に団体交渉◆◆
「休息は必要」「労働条件改悪の意図はない」と局長
3月29日,休息時間制廃止問題で緊急に団体交渉を行いました。組合からは山西委員長はじめ9名が出席,大学からは谷本総務担当理事(事務局長),石川総務部長ほかが出席しました(学長は出張で欠席)。
今回の交渉は,大学側が4月からの就業規則改定にあたって休息時間の廃止を打ち出したことが発端です。大学側から組合に連絡があったのは実施直前の3月20日で,各事業場の過半数代表者に対しても同様でした。休息時間廃止は実働時間を1日に30分も延長することであり,労働条件を大きく改悪するものです。組合は3月22日に,総務部長に対し4月1日実施の取りやめを求めましたが,総務部長はこれに応じませんでした。そこで組合は団体交渉を3月中に開くよう要求し,29日の交渉となりました。
交渉の中で組合は,休息時間をとれない職場もあることなど,ハードな勤務実態を説明しました。また,病院では医療の安全確保のためにも休息が必要なことを指摘しました。これに対し事務局長は,「仕事で疲れたときの休息は必要と思っている」と明言し,規則は変えるが実質的には労働条件を改悪するつもりはない旨を述べました。事務局長が説明したのは,国家公務員の休息時間が廃止され,多くの国立大学法人も廃止したので残るは2大学のみになった,県内でも県が4月から廃止することにした,という事情です。大学側は,群馬大学が突出することは避けたいという気持ちが強いようです。そこで組合は「実態を変えないのならば,その旨を各職場に周知徹底してほしい」と要請し,局長はこれを了解しました。
「教職員の健康管理に資するよう対応」と合意書に明記
その後,組合と大学は,合意書を取り交わしました(裏面を参照してください)。
合意書のポイントはふたつあります。大学が「各職場に応じた実効的な休憩時間の在り方について,今後さらに研究を続ける」というのは,休息時間とは違う形で同様の内容を定めている国立大学があることを組合が紹介したのを受けての合意であり,群馬大学も検討を開始するということを含んでいます。大学が「当面,教職員の健康管理並びに勤務能率の増進に資するよう対応を図る」というのは,規則は変えても「対応」の面では改悪しないということです。休息をとることが疲労回復に役立ち(「健康管理に資する」),仕事にもプラスになる(「勤務能率の増進に資する」)ことを,交渉の中で大学側は認めています。
局長から「従来どおり」で「差し支えない」と通知
4月2日付で,事務局長から各部局長にあてて,「休息時間の取扱いについて」という文書が出されました(これも裏面を参照してください。組合が周知徹底を要請したことに局長は応えました)。
この中で「社会情勢を踏まえて休息時間を廃止することとした」というのは,前述のように「群馬大学が突出することのないように就業規則から休息時間の規定を削ることとした」という意味でしょう。「従来どおり,勤務中における軽度の疲労を回復し,その後の勤務能率の増進を図ることは差し支えない」という表現は,組合との合意文書に通じるものです。「従来どおり」で「差し支えない」のです。
組合との団体交渉等を通じて,大学側に「これまでより30分長く働かせよう」という労働条件改悪の意図がないことが明らかになりました。団体交渉では,「休息時間制度のない民間企業でも,勤務時間中に一休みすることはある」ことも,大学側の発言で触れられました。今回の就業規則改定の趣旨はこういうことなのですから,各職場では就業規則の文面の変更に振り回されずに,必要な休息は堂々ととりましょう。もしも就業規則から休息時間の文字が消えたことを理由に機械的な対応をする上司がいたならば,人事労務課から趣旨を説明してもらいましょう。
団体交渉における合意事項
平成19年3月29日(木)に事務局中会議室で行われた団体交渉において,次の事項が群馬大学教職員組合(以下「組合」という。)と国立大学法人群馬大学(以下「大学」という。)により合意されたので,団体交渉に関する労働協約第6条の定めに基づき,この文章を2通作成し,組合と大学が各1通を保管することとする。 『合意事項』 (休息時間の廃止) 1.大学は,『国立大学法人群馬大学教職員の労働時間及び休暇等に関する規則』を改正することに伴い,各職場に応じた実効的な休憩時間の在り方について,今後さらに研究を続けるとともに,当面,教職員の健康管理並びに勤務能率の増進に資するよう対応を図るものとする。 平成19年3月30日 国 立 大 学 法 人 群 馬 大 学 長 鈴 木 守 印 群馬大学教職員組合中央執行委員長 山西哲郎 印 |
平成19年4月2日
各部局の長殿 事務局長
(公印省略)
休息時間の取扱いについて
このたび,就業規則の一部を改正し,平成19年4月1日から休息時間を廃止することになりましたので,お知らせします。 ご存じのように,国会審議の中で休息時間について指摘があり,人事院が平成16年に調査した結果,休息時間を設けている事業所は,5.7%であることがわかり,国家公務員は,平成18年7月から廃止することになりました。 また,他の国立大学や地方自治体も廃止をしており,群馬県も平成19年4月から休息時間を廃止することになりました。 本学としても,社会情勢を踏まえて休息時間を廃止することとしたものです。 ついては,教職員各位に周知の上,遺漏のないようお取り扱い願います。 なお,従来どおり,勤務中における軽度の疲労を回復し,その後の勤務能率の増進を図ることは差し支えないことを申し添えます。 本件について問い合わせがある場合は,人事労務課労務係(内線7028)へお願いします。 |