号外 2010.8.20発行

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大学予算の削減はマニフェスト違反

声明を内閣官房と文科省に送付

報道されているように,政府・民主党は平成23年度予算において国立大学法人の運営費交付金を前年度比10%削減する方針を固めています。法人化以降毎年運営費交付金を減額され,教育研究に困難を来しているというのに,これまで以上の大幅な交付金削減は,群馬大学を機能停止に追い込むもので到底容認できません。群馬大学教職員組合は,以下に示すように,これに反対する声明を8月19日付で発表し,内閣官房ならびに文部科学省に送付しました。

声明 文教・科学振興費の削減は社会の「不幸」を拡大する

政府が7月27日に閣議決定した「平成23年度予算の概算要求組替え基準」において、国立大学法人運営費交付金ならびに科学研究費補助金をふくむ文教・科学振興費を、前年度当初予算に対して10%削減するとしたことは、国立大学の運営とわが国の教育・学術研究に破壊的な影響をもたらすものと言わざるをえない。

これを機械的に群馬大学に適応すると、その金額は12億4,240万円になり、これは平成16年度から平成22年度までの7年間で削減した運営費交付金(10億7,000万円)をさらに上回る金額を1年で削減することになり、群馬大学を機能停止に追い込む暴挙である。

この金額は、教育研究経費でいうと、4学部ある群馬大学から教育学部を除く全学部(医学部・工学部・社会情報学部)、生体調節研究所および附属諸学校の平成22年度物件費総額に相当する。教員人件費に置き換えると、教授111人(全体232人の約5割)の削減が必要になる。附属病院の人件費でいうと、医師151人全員の削減、または看護師約274人分(全体605人の約5割)の削減になる。学部学生の授業料に置き換えると、年間約25万円の値上げに相当する。

すでに国立大学法人の運営費交付金は、平成16年度から22年度までの6年間で6.7%削減されており、各方面で教育研究に支障を来している。人員の大幅な削減により、退職した教員の後任を補充できない事態が頻発するなど、大学としての教育・研究の機能が大幅に低下している。この状況で、さらに大幅の交付金を削減することは国立大学を機能停止に陥れ、わが国の競争力と知的水準を低下させるばかりでなく、教育格差をますます拡大し、地域の医療をも衰退させるものである。

このような乱暴な政策は、「最小不幸社会」を目指すことを標榜した先の参院選での民主党のマニフェストと正反対の結果をもたらすものである。同マニフェストにおいて民主党は「強い経済」のために「人材養成」をうたい、「実践的な職業能力を認定する資格を導入し、時代にあった、国際的に活躍する人材を養成」すると明記している。また、「子育て・教育」に力を入れるとして、「奨学金制度の創設」や、「大学の授業料減免制度を拡充し、教育格差を是正」すること、さらに、「地域の医師不足解消に向けて医師を1.5倍に増やすことを目標に、医学部学生を増やします。看護師など医療従事者の増員に、引き続き取り組みます」とはっきり書いている。

国立大学における教育研究を破壊しておいて、政府・民主党は、いったいいかにして「人材養成」を行うというのか。国立大学が破壊されれば、教育格差は拡大することこそあれ、是正することなどできない。また、多くの医学部を抱える国立大学なくして、医師・看護師などの「医療従事者の増員」をどうやって行うというのか。

民主党に期待した国民は、このマニフェストに書いてある政策・理念に共感したものである。政府・民主党は、自らが発表したマニフェストとは正反対の結果をもたらす今回の政策を、速やかに見直し・撤回するよう、われわれは強く求める。

2010年8月19日
群馬大学教職員組合
中央執行委員長 西薗大実


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