号外 2012.5.28発行

団体交渉速報

大学法人7月からの給与削減を提案

国家公務員並平均7.8%のマイナス

附属学校園・病院職員には配慮


組合は5月25日に国立大学法人群馬大学と団体交渉を行いました。報道されていますように本年2月に成立した臨時特例法により国家公務員の給与は平均7.8%削減されていますが,大学法人側は団交の場で,群馬大学の教職員においても7月から給与削減を実施するという提案を行いました。他にもいくつかの交渉項目がありましたが,とくに教職員の生活に影響の大きい給与問題について速報でお知らせします。

なぜ給与削減を提案するのか

大学法人側の説明は,人事院勧告ならびに国家公務員給与削臨時減特例法に基づいて国家公務員の給与がすでに削減されているのに,税金が投入されている国立大学が削減しないわけにはいかない,最近の国立大学をめぐる政治的情勢は非常に厳しいのでこれに応じざるを得ない,というものです。運営費交付金をすでに減額されたとか,群馬大学として固有の財政的な問題から削減せざるをえないというわけではなく,震災復興の財源にあてるために「自律的・自主的な労使関係の中で」大学法人がいわば自主的に給与を削減するように求められている,ということです。

2012年5月25日団体交渉

政府の閣議決定の文書には「自律的・自主的な労使関係の中で」という文言が何度も登場しますが,あらかじめ結論を押しつけておいてその決定の責任は各大学に負わせようとするもので,とうてい納得できるものではありません。また,労働契約法の手続を無視した不利益変更の強行には,組合として強く反対するものです。

大学法人の提案内容

大学法人側の提案は,本年7月から26年3月までの1年9カ月の間,国家公務員に準じて人事院勧告・臨時特例法を本学教職員にも適用して給与を削減するというものです。6月までは現行通りですので,6月の期末手当はそのまま支給されます。また,人材確保の観点から,附属学校園の教員と,附属病院の看護師・医療系の職員(コメディカル)については手当を新設して削減分を補填するというものです。

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人事院勧告に関する対応。俸給月額平均0.23%の引き下げを実施する。ただし,非常勤職員・年俸制適用教員については実施しない。給与構造改革にともなう経過措置は国と平成26年3月で廃止,若手職員の昇給抑制に関する昇給回復は国と同様に実施する(24年については7月に実施)。

また,国家公務員は24年3月1日以前の過払い分の調整を6月のボーナスで行うことになっているが,本学については行わない。

臨時特例に関する対応。国家公務員に準じて以下のとおり本給を削減する。

役員教育職一般職・医療職削減率
学長を含む全役員教授部長▲9.77%
准教授
講師
附属学校園の副校長
3級から6級までの事務系職員・技術系職員
3級以上の医療系技術職員
3級以上の看護職員
▲7.77%
助教
附属学校園教諭
2級以下の事務系・技術系職員
2級以下の医療系技術職員
2級以下の看護職員
▲4.77%

パート職員を除く非常勤職員も常勤職員と同水準で実施する。ただし,期間業務職員である医員,医員シニアレジデント,臨床研修医については除外する。

年俸制適応教員も常勤職員と同水準で実施する。

管理職手当は10%削減,地域手当,人事交流手当は職務の級に応じた減額率で減額。期末手当,勤勉手当は9.77%減額。

人材確保のための手当(新設)

俸給月額・職務の級に応じて,附属学校園の教員,附属病院の技術職員・看護職員に支給する。

附属学校園病院職員支給率
副校長3級以上の医療系技術職員
3級以上の看護職員
7.5%
附属学校園教諭2級以下の医療系技術職員
2級以下の看護職員
4.5%

非常勤職員のうち,期間業務教職員については常勤職員に準じて支給。


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大学法人側はこれらの内容を組合側に口頭で伝えただけで,役員会を経ていないことを理由に資料を配布していません。また,この削減を行わざるを得ない財務上の必然性を示す十分な資料を提示せず,納得のいく説明なされたとはいえません。これほどの給与削減は法人化以後をみても例のない不利益変更であるにもかかわらず,労働契約法が定める手続を踏んでおらず,誠実交渉義務に違反している疑いもあります。

群馬大学教職員組合は引き続き,合理的な説明を求める団体交渉を継続していきます。みなさんの声を組合にお寄せください。

団体交渉の詳しい内容は『ぐんだいタウン』でお知らせいたします。

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