号外 2015.2.26 発行 | |
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団体交渉速報
12月勤勉手当0.15ヶ月引上げへ
大学法人 教職員の待遇改善の必要性認める
入試の作題手当については平行線(2015.02.26.)
組合は2月24日に国立大学法人群馬大学と団体交渉を行いました。本紙 『ぐんだいタウン』U-70号(2015年2月6日付)でお知らせしたように,昨年8月に出された人事院勧告で示された給与引き上げが,群馬大学ではその通りには実施されていません。交渉の結果,国立大学法人側は,12月の勤勉手当0.15カ月引き上げる方針で経営協議会に提案することを明言しました。団交の内容について,速報でお知らせいたします。
今回の要求項目は以下の通りです。
要求項目
A.給与について
① 平成26年12月勤勉手当の成績率の引上げ(0.15月)について,これをさかのぼって実施すること
② 俸給表水準の平均0.3%引き上げについて,平成26年4月にさかのぼって実施すること
③ 平成27年4月1日実施予定の俸給表水準の平均2%引き下げを実施しないこと
B.職員の待遇改善
① 入学試験における作題手当を新設すること
② 夜間看護手当について1,000円程度増額すること
Aの①,②で掲げた給与の問題は2014年8月の人事院勧告に基づく引き上げですが,これまで度々人事院勧告を重視すると明言していた群馬大学は,①についてはまだ実施しておらず,②については平成27年1月からの実施としています(人勧通りであれば9カ月さかのぼって,平成26年4月から適用になるはずです)。Bの項目は,本組合が以前より主張しているもので,これまでも平行線をたどってきた問題です。
項目ごとに大学法人の回答をお知らせします。
A ① 平成26年12月勤勉手当について
[回答] 0.15カ月の引き上げ実施を経営協議会に諮るものとする。
田学長は大学をめぐる状況について,これまで運営費交付金が毎年引き下げられていることや,平成28年度から始まる第三期中期目標期間の予算見通しがまだ立たないことに加えて,大学病院の医療事故をめぐる情勢もあり,なかなか先が見えないことを説明したうえで,「そうはいっても皆さん一生懸命やっているし,できるだけの待遇改善はやろう」と理解を示し,人勧通り昨年12月に遡って勤勉手当の引上げを経営協議会に諮ることを表明しました。
これをもって決定したわけではありませんが,組合としてはこの判断を歓迎するものです。
A ② 俸給表水準引上げ時期について
[回答] 財政的な理由から,平成27年1月より以前にさかのぼることはできない。
人勧では平成26年4月にさかのぼって引上げることになっていますが,群馬大学の財政事情からいって平成27年1月からの実施が精一杯である,という回答でした。
組合は,4月とまではいかなくても,たとえば群馬県が行っているように10月からなど,できるだけの改善はできないか質しましたが,大学病院の経営状況をめぐる事情など大学全体の財政事情からいって不可能,という回答でした。
A ③ 平成27年4月以降の俸給表水準の引下げについて
[回答] 俸給表は国家公務員に準拠するのが本学の方針である。
4月から平均2.0%の俸給水準の引下げが行われる予定ですが,引下げ幅をたとえば1.8%に圧縮するなどの措置は採れないか質しましたが,俸給表はボーナスや退職金にもかかわるので,公務員準拠でいく,という回答でした。俸給表自体は公務員に合わせるとしても勤勉手当で補填するなどの可能性はないか,との問いについては,とてもそのような財政事情ではない,という回答でした。
B ①入試の作題手当新設について
[回答] 作題はすでに支給されている入試手当に含まれていると考えるが,新たな提案があれば検討する。
これまで『ぐんだいタウン』でもお知らせしてきたように,新潟大学や茨城大学など,入試問題の作題に関して手当が出ている国立大学はたくさんある中で,群馬大学は入試に関する業務すべてを含めて一律1万円の入試手当が出ているだけです。組合は重ねて作題への手当新設を要求しました。
大学法人側の回答は,入試は「本来業務」であり,一口に作題といっても負担もさまざまに異なるので,手当を出すことは却って不公平になるし,他にも大変な業務がある中で入試だけに手当を出す理由がなりたたない,というものでした。組合側はこれに対して,他の国立大学では出していること,現場の不満が強い中でこのままこの問題を放置することは逆に危険であること,問題なのはお金のこと以上に教員間の不公平感なので,例えばポイント制にするなどの工夫の余地はあることを主張しました。
結局,大学法人側は「本来業務であるのでこれ以上は出さない」という立場を崩さず,この件に関しては物別れに終わりましたが,新たな提案があればともに検討することには同意しました。
人材流出について
要求項目には入ってなかったのですが,交渉の流れの中で,本学の人材流出についても話題になりました。近年の国立大学の労働環境は劣化しており,教員が教育研究に向けられる時間がどんどん削られていることも,人材が流出する一因であり,大学側も教員の業務を補助するURA(リサーチ・アドミニストレーター)を新設するなど工夫していると説明しています。とはいえ,同じ俸給表を使っているにもかかわらず,群馬大学の教職員の給与が相対的に低いことは『ぐんだいタウン』U-68号(2013年12月16日付)でもお伝えした通りです。入試手当のような諸手当が相対的に貧弱なことが,給与の低さや人材流出の原因になっていると考えられます。
B②の夜間看護手当てについては,時間切れで次回に持ちこし,ということになりました。
組合は引き続き,教職員の待遇改善のために大学法人側と交渉していきたいと思います。皆さまの声を,ぜひ組合までお寄せください。