号外 2006.3.31発行 | |
大学当局、給与水準引き下げ強行の構え
3月29日の団体交渉でも方針変えず
3月29日午後、給与水準引き下げ問題等について団体交渉を行ないました。学長は出席できず、白井理事が学長の代理として出席し、大学当局としての考えを述べました。人事院勧告に従うべき理由がないことを組合が再三再四指摘しているのに、大学側は人事院勧告準拠による大幅な給与引き下げの方針を変えようとしていません。また地域手当についても、16日の役員会で決めた「前橋・桐生とも2.4%」という方針を変えようとしません。このような給与水準の引き下げを強行しようとしているにもかかわらず、代償措置(引き下げの埋め合わせとなるような労働条件改善策)もありません。組合は「学長は署名に託された教職員の声に対し文書で誠実に答えること」を求めていますが多忙を理由に、回答がありませんでした。4か月近くも前、12月7日に署名を学長に手渡して、学長は「重く受けとめる」と発言したにもかかわらずです。そして、団体交渉での大学側出席者の発言は人事院勧告準拠で押し通そうというものばかりで、私たち群馬大学教職員の労働条件を改善しようという姿勢はついに見られませんでした。大学当局が文部科学省と私たち教職員のどちらに顔を向けているのかが、これまでの団体交渉ではっきりとわかりました。29日の団体交渉の模様を報告します。
団体交渉申入書
前回3月13日の団体交渉においては、18年度以降の給与構造の見直しに関して、700筆を越える反対署名に対する学長からの回答書も提出されず、地域手当の問題についても労使双方の合意が得られていません。この状態を放置したままで今回の「見直し」を強行することは、組合の存在、ひいては署名に託された教職員の総意を無視したきわめて不当なもので容認できません。 3月中に再度組合との団体交渉に応じるよう申し入れます。 要 求 項 目
(1)学長は署名に託された教職員の声に対し文書で誠実に答えること
(2)前回の団体交渉申入書・要求項目(1)〜(9)に対する回答書を用意すること
* 前回の団体交渉申入書と要求項目については、本紙II-39号参照 (3)平成18年度の地域手当は全事業場で1%以上を支給すること
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地域手当「前橋・桐生とも2.4%」に固執する大学側今後の検討の余地は認める
地域手当の率について組合は最低でも3%で統一すべきだと主張していますが、大学側の回答は「前橋・桐生とも2.4%」でした。大学側の説明では、給与水準を引き下げると06年度は現給保障のため200万の持ち出しになるが07年度は概算で1億浮くことになるそうです。そして、地域手当を「前橋・桐生とも3%」にするならば「前橋・桐生とも2.4%」または「前橋3%、桐生ゼロ」にする場合より人件費が6600万程度増えるとのことです。この点からみて、「前橋・桐生とも3%」にすることに財源面での問題はないことを組合が指摘すると、大学側は「確かな財政見通しが立たない」「国民に説明がつかない」などの漠然とした説明をするだけで、方針変更をまじめに考えようともしませんでした。ただし、第1段階である06〜07年度の地域手当支給率が1%(2.4%の3分の1ではなく、3%の3分の1)であることにかかわって、組合が「地域手当2.4%」を来年度以降見直す(第2段階の2%を経て、第3段階で2.4%でなく3%にする)可能性を問いただしたのに対し、給与水準の引き下げで生じた剰余金による待遇改善や他の国立大学に比べた給与水準の低さが変わらない場合の改善については、検討の余地があることを認めました。学長の決断が求められます。
苦情処理委員会に労働者代表を
組合が「苦情処理委員会の構成メンバーに労働者代表を複数入れること」を要求したのに対して、大学側回答は「労働者として事務局長、総務部長が加わっている」という悪い冗談としか思えないものでした。また、査定については新しい委員会をつくるとしながらも、構成は未定であり、各部局から入るはずとの回答でした。組合は部局代表は全教職員の代表ではあり得ないと指摘し、組合代表こそを入れるべきであると主張しました。
昇給の査定は1年間凍結すべき
昇給の査定について、組合は「『見直し』案に伴って導入するとされる昇給の査定(勤務評定)は、管理職による一方的な評価となる懸念がある。客観的で公平な評価に関する学内での合意を得られない中で見切り発車することは、職場に悪影響を与えこそすれ、決してよい結果にはならない」と指摘し、「査定導入を1年凍結し、教職員の合意形成を行うこと」等を求めています。これに対して大学側は、「人事評価ができるまでは、現在行っている勤務評定により勤務成績を判定していく予定でいる」と回答しました。また、現行の号俸を4分割するので、ABCDEの5段階評価でAの者は8号俸(09年度までは経過措置として6号俸)、Bの者は6号俸(同4または5号俸)、Cの者は4号俸(同3号俸)の昇給となること、経過期間中の昇給抑制(その後の影響を含む)を地域手当・勤勉手当の財源とすること等の説明がなされました。
広域異動手当は誰のためか
組合が広域異動手当を導入する根拠・目的・対象者を明示するよう求めたのに対しては、学内の異動が対象で他大学等からの異動者は対象としないこと、東京オフィスや構想中の連合大学院(埼玉)に異動する者が想定できることが説明されました。しかしながら、広域異動手当は地域手当を超える部分に限って支給されることから、地域手当の率の高い東京・埼玉への異動では現実には手当支給とならないのではないかと組合が問いただすと、大学側はそのことを認めた上で、国に準じた制度は将来に備えて取り入れておきたいと述べました。
パート職員の時給引き下げは不当
非常勤職員就業規則を変えてパート職員の時給を引き下げようとしている問題について、組合は、組合との協議抜きに労働条件を引き下げることは組合軽視であって許されないことを指摘し、内容としても不当であると主張しました。これに対して大学側は、看護師と医療技術職員については時給単価を引き上げるのであり、引き下げるのは事務・技術系のパート職員についてであること、事務・技術系パート職員については現在は常勤者並みの仕事を与えているのを時給にみあった内容の仕事に変えることを説明しました。そこで組合は、職場の実態に照らせばパート職員の仕事内容を軽減して仕事が回るのか疑問であること、したがってパート職員の仕事内容はそのままで時給だけ下がるか、パート職員の仕事内容が軽減された分だけ常勤職員の負担が増えるかになる可能性が高いことを指摘し、再考を求めました。