号外 2020.11.8 発行

★このニュースは、組合費と支援者からの募金で作られています★

群大ノ未来ツクル
新しい現実 新しい挑戦
群馬大学教職員組合 [URL] http://web.union.gunma-u.ac.jp
[電話/FAX] 027-220-7431 [e-mail] gu-union@ml.gunma-u.ac.jp

教職員による意向聴取に向けて

 学長候補者への公開質問状

組合から候補者4名へ提出

平塚現学長の任期満了(2021年3月31日)に伴い,次期学長の選考が行われています。ご案内のように,4名の「学長適任者」(候補者)が9月29日に決定しています。群馬大学教職員組合は11月4日付で各候補者に以下のような公開質問状をお送りしました。これまで組合は,学長候補者による立会い演説会を実施してきましたが,今回はコロナウイルス感染症対策の観点から多くの教職員が一カ所に集まることを避け,代わりに公開質問状を送付することで各候補者のお考えをみなさんにお知らせすることにしました。内容は,労働問題,学内民主主義・大学自治,大学の教育研究をめぐる課題,将来構想に関する課題,病院問題に関する見解,危機管理に関するもので,いずれも群馬大学で働く教職員にとっては関心の高い事項です。今月中に行われる教職員による「意向聴取」(投票)の参考にしていただくため(注),各候補者からの回答は速やかに教職員のみなさんにお知らせする予定です。



群馬大学教職員組合 公開質問状

令和2年11月4日
群馬大学教職員組合執行委員長 豊泉周治

国立大学法人をめぐる厳しい状況の中,学長職に立候補され,多種多様な課題にたち向かわれようとしていることに敬意を表します。

群馬大学教職員組合は国立大学法人群馬大学の次期学長候補者に対し,下記の通り公開質問状をお送りさせていただきます。お忙しい中恐縮ではございますが,11月16日までに下記項目に関する文書回答をお願いいたします。なお,質問状ならびにご回答については組合を通じて教職員に周知いたしますことを,予めご了承ください。


I.労働問題

1)給与問題

現在,本学の給与水準はすべての国立大学法人の中で最低水準に落ち込んでいます。事務・技術職員のラスパイレス指数は2013年の85.6から2019年の81.8へ,教員の場合は94.7から88.2へ,看護師の場合は100.1から95.3へと大きく低下しました。この間の人事院の引き上げ勧告に対して,人勧に準拠した給与引き上げを行ってこなかったからです。組合は,人勧が引き上げ勧告であった場合には少なくともこれに準拠して引き上げを実施し,引き下げ勧告の場合は実施を遅らせたり引き下げ幅を縮小するなどして,他大学水準の給与を教職員に保障することを要求してきました。

本学のきわめて低い給与水準について,また今後の人事院勧告への対応について,どのようなお考えをお持ちですか。お聞かせ下さい。

2)有期雇用職員の問題

本学では,非常勤教職員の雇用期間限度を一律に5年(非常勤講師等は10年)とする非常勤職員就業規則の改定が2017年4月1日に行われ,同日から実施されています。この改定は,改正労働契約法(2013年4月1日施行)による非常勤教職員の無期労働契約への転換(「無期転換」)をあからさまに阻止するもので,「雇止めの不安の解消」を目的とした改正労働契約法の趣旨に反する不当な改定です。多くの有期雇用職員によって支えられている大学業務の円滑で継続的な実施にとっても,その不利益は計り知れません。東大をはじめとして,有期雇用の5年期限を撤廃して改正労働契約法の趣旨に沿って無期転換を進めている法人も少なくありません。

本学は労働契約法の趣旨に反する,もっとも硬直的な対応を続けている大学の一つです。改正労働契約法の趣旨に則って,非常勤職員就業規則の5年雇用期限の見直しを行うことが必要です。この問題についてどのようなお考えをお持ちですか。お聞かせ下さい。

3)働き方改革

群馬大学の教職員の働き方改革の方向について,どのようなお考えをお持ちですか。例えば以下のような質問意見が届いております。

〇休日の勤務について

大学入学共通テスト付近の日程は卒業研究等の繁忙期であり,学生の指導のために振替を取ることが困難な場合がしばしばあります。大学入学共通テストの業務については「振替」か「休日出勤」かを選べるように改善していただきたいと思います。

〇大手銀行のように週休3〜4日制を導入するか否か

週5日勤務している一般の職員について,大手銀行のように週休3〜4日制を導入するお考えはありますか。働き方改革の推進,また,育児や介護,持病などで十分に働けない職員に対する配慮としても意義あるものと考えます。

〇業務の合理化

例えば,2020年10月6日付で,神戸市教育委員会から教育現場へのメールについては,「メール件数を3割減」・「添付ファイルを6割減」・「結論を本文や件名に明記」するように改善するとのNHK報道があった。本部からの事務連絡についても同様の対応を行うことはどうか。また文部科学省にも同様の対応を行うように要請するのはどうか。

TOPに戻るHOMEに戻る

II.学内民主主義・大学自治 ―― 情報学部設置について

社会情報学部改組に当たり,社会情報学部教授会決議により明確に反対の意思が示されました。この件については,社会情報学部から大学執行部に対し,十分な説明と協議が再三申し入れられたにもかかわらず,大学執行部はそれには応じませんでした。それどころか社会情報学部教員に対して,大学執行部がかなり強引な行動をしたとの声も寄せられています。たとえば,「教育研究評議会の審議内容を記録しないと決めたことは,『ガバナンス・コード』の透明性の原則に合致するのか」といった疑問の声が聞かれます。このような状況で社会情報学部・理工学部改組/情報学部設置が進められたことに対して,どのようにお考えでしょうか。また,今後の新学部の民主的運営について,どのようにお考えでしょうか。

TOPに戻るHOMEに戻る

III.大学の教育研究をめぐる課題

教育の質保証,長期的視野に立った基盤的研究を維持するためには,研究室に配分される校費(研究費)の増額が必要であると思いますが,どのようにお考えでしょうか。

また,教育研究に対する施設・人員の増強を要望する声があります。お考えをお聞かせください。具体的には以下のような質問が寄せられています。

〇校費(研究費)について

理工学府で2020年度に研究室に配分された校費は(スペースチャージなどひかれて)教授30万円,准教授20万円程度です。国際会議出席や論文投稿にも支障がでる状態です。研究室として教育研究ができるような状況ではありません。共同研究,競争的資金により研究活動を維持しようとしますが,長期的視野に立った多様な基盤的研究はできません。

経費が不足であるため,共同研究,競争的資金を院生の教育に利用せざるを得ませんが,院生の教育より共同研究・競争的資金の成果優先にならざるを得ません。また,そもそも科研費は学生・院生教育の原資ではありません。校費不足のため,科研費の目的外利用と指摘されかねない運用がなされている実態を,大学として放置すべきではないように思います。さらに,教員が追い詰められて,院生に対するハラスメントの温床となりかねません。

これらを解決するには,校費の増額が必要であると思いますが,いかがでしょうか?

〇学生支援スタッフの充実

最近はメンタル面で悩みを抱える学生が増えており,健康支援センターのカウンセリングの予約を取るのが大変である。医療スタッフ・カウンセラーを増員していただきたく,お考えを伺いたい。

TOPに戻るHOMEに戻る

IV.将来構想に関する課題

第4期中期目標では大学の統合が進められるとされています。群馬大学の将来構想についてのお考えをお聞かせください。例えば以下のような質問が寄せられています。

〇法人統合について

今後,名古屋大と岐阜大の東海国立大学機構のような大学法人統合を,本学でも推進しようというお考えはお持ちですか。

TOPに戻るHOMEに戻る

V.病院問題に関する見解

附属病院の医療事故に関わる事故対応が続いています。この間の事故対応および病院改革について,どのように評価しますか。また,今後の事故予防策について,お考えがあればお聞かせ下さい。

TOPに戻るHOMEに戻る

VI.危機管理

COVID-19に対するこの間の大学の対応についてどう評価されるでしょうか。また,今後の対応について(2021年4月以降に感染状況が現状のままの場合,収まった場合の双方について)お考えをお聞かせください。

以上です。各候補者からの回答は速やかに教職員のみなさんにお知らせします。



(注)教職員による「意向聴取」(投票)は,選挙のように直接学長を選ぶものではありませんが,学長選考会議はこの結果を参考に最終候補者を選考することになっています。スケジュールは現段階では非公開ですが11月中に実施されます。

TOPに戻るHOMEに戻る